今日の言葉
1970年代後半から1980年代前半にかけて、
1978年に航空輸送規制緩和法が制定された後、
1982年に路線参入の自由化が、1983年には運賃の自由化が認められ、
アメリカの国内航空市場は完全に自由化。
これは新規航空会社の参入と競争の激化を招き、
台頭する会社、撤退、消えていく会社と明暗をわけました。
デルタ航空ももちろんこの大きな波により、
1982年に競争の激化で当時としては36年ぶりの赤字(8,700万ドル、当時換算で200億円)
を計上することとなってしまいました。
そんな時にデルタ航空の3人の客室乗務員が、
会社を支援しようと思いつきました。
1982年からデルタ航空で導入がはじまった
ボーイングB767-200型1機分の購入資金を、従業員らが給与の減額で会社に贈呈したのです。
購入金額はなんと約3000万ドル(当時換算で69億円)。
当時デルタ航空には約4万人の従業員がいたのですが、
1人平均約1000ドル近い減額を受け入れたという計算になります。
デルタ航空の社長は、全社員から大きな飛行機の格納庫に呼び出されました。
格納庫の中に作られた壇上に立たされた社長に向かって、
社員の代表がマイクを握り、こう切り出しました。
「社長、この会社はもうすぐ倒産するんじゃないですか。」
「私達は、全員知っています。・・・」
「来月になれば、全機レンタルである我社の飛行機は飛ばせなくなります。」
「それは、我社の終わりを意味します。」
「そこで、私達全員から社長に渡したい物があります!」
格納庫の真ん中を間仕切っていた白い大きなカーテンがゆっくりと開いていくと、
そこに・・・
当時の最新鋭の旅客機が一機、姿を現しました。
「社長、この旅客機はレンタルではありません。」
「私達が買った我社の旅客機です。」
「この一機から、デルタ航空を再建させましょう!」
そしてその後、デルタ航空は奇跡的な復活を遂げます。
従業員一丸となって、赤字を乗り越えたのです。
そうして購入されたB767-200は“Spirit of Delta”と名付けられ
24年もの間デルタ航空の顔として運航されてきました。
凄い話ですよね~。
デルタ航空の3人の本気が会社を救ったんです!!
会社を救うために4万人の従業員の方に声を掛け飛行機を買ってしまう・・・
4万人が1人10万円は出す計算です。
4万人が本気になる・・・
本気のパワーって凄いです!!